田舎暮らし一長一短 ヤギの場合

ひじきという名のヤギ
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ヤギを飼うと話したら、すぐ脱走するし、畑を荒らすし、大変だから止めた方がいいと言われたことを思い出す。

当時住んでいた家は自分ちの裏山、その前に広がる段々畑、垣根に囲まれて家があり、垣根の外に出てもほぼほぼ自分ちの畑だった。

友達に紹介してもらったヤギは「ひじき」さん。ひじきのお母さんは「わかめ」ちゃん。双子の弟は「こんぶ」くん。妹は「あさり」ちゃん・笑

2012年4月16日生まれのひじきさんがわが家にやってきたのは、1歳くらいやったかなぁ?

シバヤギの血が濃くて、お腹が真ん丸で短足。真っ白な毛に覆われた美しい女の子。わが家に来てからひじきは草刈り隊長の任命を受けた。

散歩・エサ代不要、クズ野菜を処理し、草刈りという名の食事をする。ヤギとの暮らしいいところ

ヤギは特に散歩の必要がない。うちの場合、犬のあわもいるし、猫のワラワラも散歩についてくるからひじきも一緒に散歩を楽しむことはたまにある。

ひじきという名のヤギと犬のあわ

今までに2回くらい牛のエサを購入したけれど、基本ひじきのためにエサを購入することはない。岩塩を除いては。

畑をメインにやっていたときは、野菜の外葉や皮、クズ野菜をたっぷりと与えていた。もちろん、ときどき庭や畑につないで草も食べてもらう。

杭を打ってロープで繋いでおくと、ロープの届く範囲が円形状になってきれいに草を食べてくれる。草刈り要らずである。たまに、食べて欲しくない作物も食べられることはあるけれど…

散歩の必要がないから、2~3日のお泊りだって全く問題ない。小屋にたっぷりエサとなる草や野菜クズを放り込んでおけばいいだけ。

ひじきの小屋は、屋根付きの家に前庭があり、自由に行き来できるようになっている。ひじき一匹にしては広く、なかなかの豪邸ではなかろうか。

ひじきという名のヤギと猫のワラワラ
ひじき邸の前庭で遊ぶひじきと猫のワラワラ
ひじき邸の中で寛ぐヤギのひじき
ひじき邸の中で寛ぐひじき

ヤギの赤ちゃん、めちゃめちゃかわいい!

ひじきは一度出産も経験している。出産後のひじきは母性オーラ全開で、全力で子どもたちをかわいがっていた。

ひじきと子ヤギ

そして、子ヤギってめちゃめちゃかわいい!!

子ヤギたち

その後も何回かひじきを彼氏の元に通わせたが、結局妊娠せず。そしてなぜか、ミルクが出るようになった。一度乳腺炎と診断されて薬を与えたことはあるが、今回の診断は「女の子はいろいろありますからね」というものだった。

理由は判らないけど、ミルクを出し続けて一年以上。毎日1リットル近くのミルクを搾乳し、チャイやココアにして飲んだり、チーズを作って食べたりと毎日の食に色どりを与えてくれている。

猫のワラワラと犬のあわ、そしてあわの子どもたちにとっても、ひじきミルクは大好物だ。

ヤギとの暮らし。搾乳と、困りごと

何度か柵の隙間から逃げ出したことがあるひじき。庭につないでおいたはずが、杭からロープが外れて自由の身になっていたことも多々。

でも、他所の畑を荒らすことはなく、私が帰宅すると犬のあわの近く、玄関辺りで私を出迎えてくれる。通りに出て迷子になったりしたことは、今のところない。

怖いのは、頭突きである。いきなりスイッチが入ったように頭突きをし始めるのだ。私に対しても、二本立ちして勢いをつけて向かってくることがあり、本気で対決したこともあるけどお互いに息を切らせて決着がつかないまま。

ヤギのひじきと犬のあわ
二本立ちするひじきと犬のあわ

車に届く場所につないだときは、いきなり車に向かって頭突きを連発されたことが2度ほどある。私の車の両サイドには、ひじきが頭突いた傷跡が今でも残っているのだ。

そして、私にとってもひじきにとっても初めての搾乳。これは本当に苦労した。獣医さんは慣れているし「こうやってロープで縛ってやれば大丈夫」と手本を見せてくれるけれど、一応女である私が、ひじきが暴れるのを押さえながらも搾乳するなんてことはまず無理だった。

そこで搾乳台を自作し、エサで誘導。搾乳台を使っても足で蹴られたり、角で頭突かれたりして、ほんまに苦労したし、お互い相当ストレスやった。

毎朝起きる度に、今日もまた…と憂鬱になったものだ。今でもたまに嫌になる。

暴れるひじきの搾乳をするのがやっとで、ミルクは垂れ流しにしていた。元々乳腺炎で菌が入っているから、飲まない方がいいと言われていたし。

たまに犬のあわにあげたりしていたけど、ミルクをちゃんと確保しながら搾乳するという技はかなりの難関だった。

今ではお互いに慣れて、毎日ちゃんと搾乳させてくれるようになったし、私もひじきミルクを味わせてもらっている。

ほんのり甘味があって、ほんとうにおいしいのだ。

ヤギのひじきの搾乳
搾乳台に入るひじきと、ひじきのミルク

辛いのは、私が腱鞘炎になりやすくて、搾乳自体に痛みを伴うことがあること。絞る動作が辛い。片手に10個以上お灸をして手当することもある。でもミルクはおいしいし、手作りチーズは最高なのだ!

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ひじきという名のヤギ

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