温暖な南房総にあるチベット自治区(極寒地)で12月に庭キャンプをしてみた結果……

冬の庭でキャンプ

南房総といえば温暖な気候で、関東でいち早く春が訪れ、1月から花摘みを楽しむことができる場所だ。温かな場所のイメージだが、自然に恵まれた立地のなかにはいくつか“チベット自治区”と呼ばれる極寒の飛び地が存在している。チベット自治区内に住むわが家の庭で、今季一番の寒さになるだろうと予報された日にキャンプをしてみた。冬使用のテントなんて持っていないが、無事キャンプを楽しめるのか!?

集まったユニークなキャンプ仲間たち

定額全国住み放題のADDress(あどれす)にはいろいろな部活動があり、そのなかにはキャンプ部もある。今回参加した1人は、ADDressキャンプ部のメンバーだ。人間とたわむれる姿が“クマに襲われている人”を連想させる、黒くて大きな愛犬とともにやってきた。キャンプ部に属しているだけあってキャンプ装備が充実していて、テント内には薪ストーブが設置されている。

可愛いお婆ちゃん犬を連れてきたのは、「たまにはキャンプしなテントがカビる」と嘆いていた女子。テントにかけるフライシートが見つからず、今回は車中泊に変更。

仕事を終えてからキャンプに来て、翌日もここから出勤するという2人は、自然を相手にしている職場の上司と部下。部下はテントが無いと言うので、私の2~3人用テントで一緒に寝ることに。上司はテントを持参したくせに、寒さに怖気づいて車中泊というアイデアに即変更。臨機応変に対応するのは大事やな・笑

わが家の愛犬、あわとアスマも庭に集合。ヤギのひじきは自分の小屋で、猫のワラワラは寒いのが嫌なのといつもと違う雰囲気を察して家のなかで過ごしていた。

ここは冬山か!? 南房総は温暖なんちゃうの!?

天気は晴れ。
明るいうちに集まったメンバーでテントを張り、テーブルを用意して火を焚き、ビールやらホットワインやらを飲みながら料理の準備をスタート。それぞれ犬たちを引き合わせて挨拶させるが、元気が有り余っているうちの子たちは自分の縄張りということもあって強気な行動。用意した野外キッチンを破壊される前に、あわアスマはテント横へ強制移動。

クリスマスが近いこともあって、チキンの丸焼きの準備をしてきたキャンプ部員。慣れていて手際がいい。チキンのなかにはナッツやスパイス、パンを詰めたらしい。ダッチオーブンに大きめにカットしたニンジンや、ジャガイモを丸ごと放り込んで火にかける。

大量に仕込んだコーンスープを温めて、スープやのり天をつまみながら、2カ所用意した火を囲んでおしゃべり。陽が沈むと一気に寒くなるので、お婆ちゃん犬はブルブル震えだして早々に車へ避難。

クリスマス風キャンプ飯にかんぱい!

仕事を終えて登場した部下と、チキンの丸焼きに舌鼓を打つ。この焼き加減と味付け、旨い!! チキンの丸焼きのあとは、ダッチオーブンでピザを焼く。これまたおいしい~♪

2枚目が出来上がるころ、上司が間に合うかと思ったけど間に合わず。上司が来たときはピザの残骸が・笑 上司のために別で用意していたチキンを食べてもらう。

満月が徐々に昇ってきて明るいけど、オリオン座や冬の大三角形、ダイアモンドも見えた。私は見逃したけど、流れ星を見た人も。

薪を細く割って、先を削って作った棒にマシュマロを突き刺す。真夜中の焼きマシュマロ作りだ。火に近すぎるだの遠すぎるだの、外野男性陣の指示が飛び交うけどよう分からん。とにかくふわとろに焼けたマシュマロを頬張って満足する女性陣。

気付いたらテントも車も地面も、霜が降りて白くなっている。重ねていたシェラカップを取ろうと思ったら、凍ってくっついてるし・苦笑 

温度が下がって庭の景色が変化していく過程のなかに、私たちはいた。

霜の世界に陽が差す、一日の幕開け

朝、テントを出ると一面真っ白。水を張った田んぼはスケートリンクのようになっている。テーブルに置いたままになっていたお酒もチーズも何もかもが、白く凍っていた。

火、とにかく火を焚こう! と思うが、置きっぱなしにしていた薪には霜が降りて凍っているので、家のなかに焚きつけの杉っ葉を取りに行く。スープを温め、ショウガ入りレモングラスティーを煮だして飲む。

テントの外で寝ていたあわアスマやけど、散歩中のお婆ちゃん犬に向かって元気いっぱい吠えまくる。部下は職場へ向かうため、朝一で車のフロントガラスがまだガッチガチのなか、消毒液スプレーを吹きかけ溶かして出勤。それぞれ自分のペースで起き出し、出勤するなり朝食を作るなりし始める。

初めて食べたのは、ホットサンドメーカーにゴマ油をひいて焼いた肉まん! おーいーしーいーーー♪ あんまんを焼く場合はゴマ油の代わりにバターをひくらしい。今度やってみよう。

フライパンに乗っているのが、ホットサンドメーカーで焼いた豚まん

定番のハム&チーズサンドも手際よく焼かれて、手際の悪い私はコーヒーの準備が出遅れた……。陽が差してくると霜がキラキラと光って、陽に当たると温かい。太陽のパワーはすごい。太陽が無事に昇ってくれることに有難みと感謝の気持ちが湧き上がる。凍てつく大地が生き返る様子を、火を囲んでコーヒーを飲みながら眺める。

陽が高くなると、庭一面はすっかりいつもの姿に戻って温かくなり、着込んでいた服を一枚ずつ脱ぎ捨てながら片付けをした。

片付け中に見つけた、犬用の水が凍ってひっくり返っていた氷

この寒暖の差を体験できるのは、温暖な南房総のチベット自治区ならではでないだろうか。

冬の庭でキャンプ

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