台風15号による停電6日目、9月14日。
台風後初めて迎える週末。友達農家宅でDIY仲間が復旧作業を行うので、午前中のわずかな時間私も参加。道中、波打つように壊されたハウスや、瓦が飛び下地材が見えている家、倒木がたくさん…。
辛い気持ちになる中、電気復旧車や自衛隊の車がどんどん南下していくのにすれ違ったり、炊き出しと物資の用意をしてくれているボランティア団体を目にしたりして、胸がいっぱいになった。
割れたガラスを黙々と拾うのは、今回わが家でやっていたのでちょっと得意。友達宅で、物置の割れたガラスをひたすら拾った。
ここに来たのは、ただ作業を行うためだけではない。みんなに会えるから。いつものDIY仲間に加え、東京から来てくれた知人や、状況確認に回ってくれているNPO法人南房総リパブリックのメンバーたち。
知っている人と会って、言葉を交わす。それができることがどんなに有難いか。
友達宅へ向かう途中、道の駅鄙の里に立ち寄った。そこでは農家さんたちが出荷作業をしていて、モロヘイヤや空心菜などが並んでいた。家やハウスが被災していても、作物の出荷時期はずらせない。出せるものは今出さなければいけないのだ。
出荷作業をしている人の中に、知った顔が。季節労働でお世話になっている農家さんで仕事をしている友達だった。近況報告をし合うと、すぐ近くにある農家さん宅でみんな作業しているから、顔出してあげてと言ってくれた。
せっかくなので覗きに行くと、農家のお母さんもパートさんたちと一緒にぶどうの出荷作業を行っていた。ハウスは被害に遭っているが、笑顔で仕事を再開。いつものメンバーの顔が揃っていて一安心。
そこで飼われている親子犬が子猫を拾い、 娘犬の母乳が出始めて 一緒に子猫を育てているという。なんともほんわか。そして農家さんの芯の強さに救われる。
東電社長のコメント。完全復旧は2週間後?!
13時からは大井地区のミーティング。電気がないので仕事はできないが、それ以外はそこまで不便を感じていなかった。そんな私でも、完全復旧は2週間後と聞いて少々ガックリ。
自分のことを「被災者」とは思っていない人が大多数なので、温水シャワーを開放しても使いに来る人が少ないようだ。物資があると言っても取りには来ないし、持って行っても「申し訳ない」と言う。そんなこともあって、自宅でお風呂に入れるように支援する方向へ。区長や地区の防災スタッフが給水車と発電機を持って家を回ると言う。
この日の炊き出しメニューはおにぎり2個、揚げ物、小松菜の胡麻和え、豚汁、大学芋、南瓜煮、お新香。5.5升の米を炊いたと言う。
台風15号時系列ファイル 最新版より
- 地域の高齢者2名、体調崩し入院
- 三芳に災害ボランティアセンター設置
- 発電用のカセットボンベ品薄、地域センターに依頼
- 青年館にAED設置
- 基地局のバッテリーは充電後8時間程度
伝言メモ掲示板が活躍。訪れた人を癒すあわ(犬)
電気がなかったり、圏外だったりで携帯が役に立たないので設置した伝言メモ掲示板。出かけるときは出発時間と、どこに行ってて何時戻り予定かを書いておくようにしていた。
この日帰宅すると、ずっと会えずにいた友達Hからの伝言メモが!とにかく元気そうで何よりだが、会えないのが残念。
地区のミーティング後に一軒一軒お風呂の要望を聞いて回ると、意外と自宅で入れている人も数件あった。私も疲れが溜まっていたので、この日はお風呂を沸かすことに決めた。みんなは入れないのに自分一人だけ入る気になれなかったけど、希望者宅にはお風呂支援も始めているし、疲れを癒すのは大事だ。
にしても1人で入るのはもったいないので、友達Hに連絡。このころは、時間帯によってソフトバンクが使えるようになっていたのだ。さっそく薪に火を付け、お風呂の準備。
Hを出迎えると、空には虹が。こんなに人を幸せな気持ちにさせてくれる、虹のパワーってすごいと思う。再会を祝してくれた虹。安房(南房総)に幸せを送ってくれた虹。ありがとう。
キャンドルを灯し、Hと仲間の近況報告をし合う。久しぶりに入ったお風呂は最高! 東京の友達が差し入れてくれたビールが旨い。やっぱりビールは冷えてないとね!
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