10月の終わりに安房(あわ)を飛び出し、京都府南丹市美山町にやって来た。
目的は、かねてから訪れてみたかった「ちいさな藍美術館」。こちらの様子は改めて紹介するとして、今回は「かやぶきの里」をぶらぶら。
京都駅から美山町への直行便バスが期間限定で出ていたが、昼に到着して昼に出発するという1日1便のみ。
これじゃぁ、宿泊しなあかんやん。
と宿を調べたが、1人で気楽に安く泊まれそうな宿がすぐに見つからなかったので、今回は南丹市営バスを利用しての日帰りで堪能することにした。
朝8時05分、JR京都駅を出て日吉駅へと向かう。
山間の中を走る電車は途中から2車両になり、1両目で運賃を支払ってから降りてくださいという案内が車内に流れた。
とりあえず1両目に行ってみると、バスのように車掌の近くに料金を入れる機械と両替機が。前もって両替して下さいとのことだったので、両替を済ませて運賃770円を握りしめ、到着を待った。
安房も田舎だが、車窓からの景色は安房とは違う山間部。初めての場所、初めての経験。これぞ旅!
日吉駅から出ているバスに乗車するのは、みんな観光客のようだ。運転手は中国人らしきお客に対し、「No,eat! No, drink!」と言い、普段から外国人観光客が多いことを覗わせた。
水が流れる音、田んぼと畑が身近にある今の暮らし
50戸のうち39棟 の茅葺屋根が残っている 北集落は、 萱場(かやば)や田畑に囲まれている。
田んぼの後片付けをする人、畑に耕運機を走らせる人。人が見当たらない畑も、花々が咲き乱れていて手入れが行き届いていることが感じられる。
所々から水が流れる音が聞こえ、美しい水を庭先に引き込んで利用している家も見られた。ふと目をやると、ヤギがいる家も。
ここの冬は雪に閉ざされるので、冬はヤギのエサを買わざる負えない。それを思うと、やはり安房はヤギを飼うのに適しているのかも?
家の前でブルーシートを広げて作業をしているお母さん。
庭先でケツメイシを育て、手で揉んだり木槌で叩いたりして種取りをしていた。
この種は「ハブ茶」としてお茶にされることも多いが、この辺りでは小豆と混ぜてお手玉の中に入れるそうだ。
カフェやパン屋、お宿も存在する。
平日だったためパン屋ともう一軒のカフェは休みだったが、「カフェ・ギャラリー彩花」は開いていた。
お団子セットにも惹かれたが、腹ペコだったので栃餅のおぜんざいをオーダー。
ぜんざいの甘さと、フキの佃煮の相性がいい。
カフェ・ギャラリー彩花 住所:京都府南丹市美山町北揚石21-1 かやぶきの里 北村 かやぶき交流館内 時間:11:00~17:00(季節により変更あり) 定休日:不定休
美山民俗資料館に見る、むかしの暮らしぶり
およそ200年前に建てられた農家住宅を譲り受けたが、2000年に火事で焼失。記録を元に忠実に復元した、美山町で一番新しい建物がこの美山民俗資料館だ。
そんなこと、言われなきゃわからない。色を塗っているところもあるそうだが、古材も利用して建てられている。
屋根裏は、茅や藁を収納する場所として使われた。現在は床があり、小道具が並んでいる。
茅を結ぶ縄が美しくて、見とれてしまう。
厩(うまや)から座敷を眺める。
農耕用の牛を飼っていたそうだが、こんな身近にいたら家族の一員というのも頷ける。
ひじき(ヤギ)もこんな風に家の中にひじき小屋というかひじき部屋があったら、面白いかも?
納屋にもたくさんの農具が展示されていた。
使い込まれた道具たちは、眺めているだけでも美しい。でもやっぱり、使える物は使ってあげたい。
籾摺り臼、うちにも欲しいな。
平日に訪れたが、観光バスが何台も訪れるので一時的にわっと人が来る。でもゆっくり一日過ごす人はそう多くないようだ。周りの人と行動をずらし、うまく調整すれば1人でゆっくりと資料を眺め、町を歩くことができる。
美山民俗資料館 住所:京都府南丹市美山町北中牧4番地 電話・FAX: 0771-77-0587 営業時間 : 12月~3月 10:00~16:00 4月~11月 9:00~17:00 休館日 : 年末年始(12月~3月は月曜休館) 入館料 : 大人300円 小、中学生 無料
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