輪行して初めて土浦駅に降り立った。ホームにある待合室のガラスや階段には、サイクリストの絵が描かれている。なんとなく、サイクリストウェルカムモード?
バックパックを背負って、自転車とキャンプ道具が詰まったパニアバッグを手にホームの端っこからエレベーターを求めて歩き出す。駅員さんがこちらに歩いてきたので、エレベーターの場所を確認しようと声をかけると、すごい訛りで返答が。茨城弁というものを知らないが、これがソレなのだろうか? おっとりとした話し方で、別れ際に「これから走るの? 行ってらっしゃい」と声をかけられた。
「行ってらっしゃい」と言われたのは、りんりんロードを走るために岩瀬駅の改札を出たときもそうだった。土浦駅のホームにはエレベーターがあり、駅から階下に降りるときもエレベーターがある。残念ながら岩瀬駅にエレベーターはなく、自転車を担いで陸橋を渡らなければならない。が、その陸橋にもサイクリストの絵が描かれていて、やはりウェルカムモードを感じる。
土浦駅の改札を出て左に向かうとすぐサイクルラックがあり、自転車を組み立てるためのスペースが。自転車初心者にとって、「ここで組み立てて大丈夫かな?」と不安な気持ちのまま邪魔にならない隅っこで自転車を組み立てるより、誰の目から見ても「ここは自転車を組み立てるためのスペースです!」と分かるように場所が確保されているのは安心だ。
土浦駅のすごいところは、駅に直結した「プレイアトレ土浦」。
自転車を押して店内を見て周ることができ、店内にあるサイクルラックに駐輪してカフェでお茶をしたり買い物をしたりすることができる。
地下にはシャワーやコインロッカーがあり、上階には自転車と一緒に泊まれる「星野リゾート BEB5土浦」が。
タリーズコーヒープレイアトレ土浦店の営業時間は7時~21時なので、早朝の到着や夜の出発時に、余裕をもって駅に到着してゆっくりと寛ぐことができる。フリーWiFiとコンセントがあるので、キャンプをしながら自転車旅をしている身にとって、早朝から夜まで営業していて充電をしながら安心して時間をつぶせる場所というのは、本当にありがたい。
設備だけじゃない、町の魅力
サイクリングロードを走っていると、車道とぶつかる場所では車が自転車を気にかけて停まってくれることが多く、サイクリストに慣れていてしかも気を使ってくれている感じが心地いい。地元の学生が自転車で帰宅するときに、大きな声で「こんにちは!」と言ってくれたときは、疲れ果てていたのでかなり元気をもらえた。
ローラーブレードでサイクリングロードを行く人、乳母車を押しながら子どもと散歩をする親子、ジョギングしている人やノルディックウォーキングを楽しんでいる人など、地元の人にも愛されている様子が景色と一体となっていて、そこにお邪魔して同じ景色に溶け込めるというも、また一つの魅力だ。
輪行で土浦に向かうとき、ドアに貼られた常磐線サイクルトレインサービスの案内があった。
そういえば、そんな内容をネットで見た覚えがある。私の場合は平日移動だったのと、上野~土浦間限定だったので除外していたが、週末都内から土浦へ向かう人にとって、自転車を解体せずにそのまま車内に持ち込めるというのはかなり便利なはず。
結果、土浦は輪行して訪れるサイクリストにとってとても過ごしやすく、サイクリング中の景色も美しいので、季節を変えてまた訪れたくなる優しい町だった。
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